ひきこもりの〈ゴール〉―「就労」でもなく「対人関係」でもなく (青弓社ライブラリー (49))
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ひきこもりの〈ゴール〉―「就労」でもなく「対人関係」でもなく (青弓社ライブラリー (49))
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| ジャンル: | 本
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| セールスランク: | 44638 位
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| 発送可能時期: | 通常24時間以内に発送
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| 参考価格: | ¥ 1,680 (税込)
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こころの声を聴く
ひきこもりの当事者とはみずからを語りえないものだから、当事者の言葉は誰にも聞き取られない。著者の石川氏は当事者に寄り添って言葉を聴き取ろうとする。6年におよぶ営みの末、当事者の心の声が聞こえてくる。
『ここで決めよう、と思ったのね。生きていくか、やめるかをね。で、生きていくのだとしたら、その、当時あたしが怖かった、人を傷つけるとか、人から傷つけられるっていうことが、その頃ものすごく怖くって、でも生きていくということはそれを引き受けていくってことなんだと。で、それを覚悟しなきゃいけない。(ーーー)それがやっぱり、決めたんだよね、自分のなかでやっていくっていう方をね」
ギデンズに依拠した実存的疑問の記述はなくもがなとも思えるが、当事者みずからが語るこころの声を引き出した功績は大きい。11名の『インフォーマント」のインタビューアーを努めた石川氏のすぐれた聴く力がなければ当事者の言葉を引き出せなかっただろう。石川氏には今回未公表の4名の方のインタビューについても何らかの形で発表してほしい。
実存的不安に応えよ
ひきこもりについて、丁寧なインタビューに基づいた本。
方法論的にはエスノメソドロジー的なので、統計に基づいた客観的検証、というわけではない。
しかし丹念なインタビューから浮かんでくる「ひきこもり」の実態からは、彼らの抱く「実存的不安」の根深さが良く分かる。
「なぜ働くのか?」「なぜコミュニケーションしなければいけないのか?」そうした実存的な疑問を持ってしまった彼らに、「とりあえず外に出ろ」「とりあえず働け」という声をかけるのは間違っていることが分かる。
そしてそうした日常生活のルーティーンから外れた責任は、必ずしも全て彼らにあるわけではない。彼らに「なぜ?」という疑問を抱かせてしまった社会の現状も変える必要がある。
本書では彼らの「なぜ働くのか?」という実存的疑問に答える必要性を説きつつ、明確な答えは出していない。だがそれで良いと思う。「ひきこもり」の人々が持つ背景は人それぞれだからだ。
逆に言えば、世に出回っている「引きこもり対策」は、引きこもりを十把一絡げに扱い、彼らの持つそれぞれの背景を無視してしまっていると言える。
面白いです!
「いろいろ考えてないで働いてみなよ」という一見自明なゴールとそこへのアプローチを、丹念なフィールドワークをもとに、いったん解きほぐしてみる試みだと読みました。その中でも私は、ひきこもっている当事者の心の内側の作業について「全面的に個々の当事者にまかされるべきもの」と明言されていることが、他者による支援は受けるにせよ基本的な主権?は守られているようで嬉しかったです(p.229)。
しかし最後まで読んでみて、彼らは<実存的疑問>に向き合っているのだと理解しよう!という心理学風な結論には逆にやや拍子抜けしました。社会学というものに私があらぬ幻想を抱いているだけかもしれませんが、「社会」とは規範をもって個人の内的作業を脅かすだけの存在なのでしょうか。<社会参加>万歳への異議という趣旨だったこともあってか「社会」の影が薄かったのが少し残念でした。
ようやくのことで社会に出ても、出てなかったことは悪く影響することが多い。でも苦しい中でも以前よりどこか強くなっている自分に気づくこともある。個人的にはそんな感じかな。
青弓社
ひきこもりはなぜ「治る」のか?―精神分析的アプローチ (シリーズCura) 「ひきこもり」救出マニュアル ひきこもりの社会学 (世界思想ゼミナール) 「ひきこもり」がなおるとき―23人の臨床例 (講談社プラスアルファ新書) ひきこもりの家族関係 (講談社プラスアルファ新書)
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